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原材料とお店のはなし


カレーに使っている牛乳を豆乳にしました。

これにより、カレーは、原材料から動物性のものがなくなりました。

味は豆乳にすると若干辛さが前に出てくる感じで、のどごしがよいです。

好みの問題もありますが、スタッフ4人の総意として、豆乳の方が美味しいです。

iijima coffeeのその他のメニューは、動物性の食材をたくさん使っているものが大半です。

ではなぜカレーを植物性にしたのか?

もちろん美味しさ、身体への優しさが理由としてありますが、それ以外にもわけがあるので、今日はそのことを書きたいと思います。

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世の中には自分の想像をはるかに越えて、色々なひとがいます。

そして、1人のひとの一生のなかにも、「色々なひと」に、時に自分の意思を越えてなっていきます。

小さな赤ちゃんとして生まれ、成長するにつれて色々なアイデンティティが1人のひとについてまわり、時に応じて変化する。

ここに来る、もしくは来たいと思っている「その人」がどんなひとであっても、珈琲と共にこの場所で時を過ごしたいと思ってくれたその人に、iijima coffeeはひらかられた場所でありたい。

そう願ってやみません。

その取り組みのひとつが、「カレーの原材料から動物性のものをなくす」というささやかな変化なのです。

例えば、Aさんは妊娠して、カフェインを摂取できなくなってしまったからiijima coffeeにはしばらく来ることができない。

Bさんは糖尿病で甘いものを食べることができなくなってしまった。

Cさんは、職を失い、金銭的困難からiijima coffeeでお茶することをあきらめる——。

元気でお金がそれなりにあって、ある条件を満たした「特定の人」だけがiijima coffeeに来ることができるというのは、いまの社会ではある意味当然ですし、その特定の人になることがモチベーションになることもあるかもしれません。とはいえ、現実はそれほど単純でもなく、いまのお店の在り方は寂しいと感じることがたびたびありました。

また、あるお店に行くことができない寂しさも「客」の立場として経験し続けています。

ですので、お店の運営方法として、ターゲットも決めずにメニューも一貫性がないのは邪道なのかもしれませんが、

動物性のものを食べることができない、もしくは控えている方でもiijima coffeeに来ることができるように、カレーを上記のようにマイナーチェンジしました。

金銭的な問題、物理的な距離の問題でiijima coffeeに来ることができないという方にも、これから色々とできることをやっていこうと計画し、少し、本当に少しずつですが、準備をすすめています。

元気がなくても、どんな自分でも、いつでもここに来て珈琲を飲んでほしい。

いまはまだ想いだけで、お店の仕組みに反映できていないことがほとんどですが、ここで珈琲を飲みたいと思ったみなさんにひらかれた場所でありたいと願いながら今日も扉を開けています。

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