珈琲の記憶 本の記憶
珈琲を飲むとき、本を読むときに、それがどこからどんな風にしてやってきたのか想像することが、結果として美味しさや感動に繋がったりするものです。
珈琲はトレーサビリティ(※)が主流となり、それが安心に繋がって、その安心が美味しさに通ずるというのは言うまでもない事実なのですが、そこから派生して、手を加えた人々の働き方ですとか暮らし方、もっといえばこれを手にしていたときどんな気分だったのか。そこに想いを馳せることで美味しさが層となり味に血が通う感じがします。
新しい本より古本が好きなのは、代々読んで来た色んな人の想いも本が記憶しているような気がするからかもしれません。
たまに線なんて引いてあると、前の持ち主と会話しているような気分になって一人でにやけてしまったり。
本棚を見ればその人がわかるというけれど、珈琲は焙煎している人の全ラインナップを飲むと、その方の人となりが垣間見えるような……。
ですから、珈琲だって100円で味そのものだけで言えばそこそこ美味しいものは飲めてしまうし、本であればなおのこと、インターネットで読みたい本が買えてしまう時代でも、そのもの自体に想いがないから表層的でどこか虚しい。
新しい本でも、できれば本屋さんで買いたい。しかも、小さくても多少遠くても良い店員さんがいる本屋さんで。
携わってきた全ての人と直接会話が出来ずとも、珈琲や本から語りかけてくるような「気」のこもったもの。
それは美味しさや感動の余韻となり記憶となるはずです。
「珈琲と本と6月」では、そんな珈琲と本をご用意してお待ちしています。
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「珈琲と本と6月」
期間:6月18日(土)〜7月5日(火)
内容:本と珈琲の販売
(本をご購入のお客様に珈琲チケットを一枚差し上げます。なお、本を複数册ご購入でも珈琲チケットは1枚とさせていただきます。)
場所:iijima coffee 店内
問合:047-455-3242
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※トレーサビリティ:食の安全性が求められる中で使われるようになった言葉で“追跡可能性”などと訳され、生産・流通などの履歴を遡ることができること。コーヒーにおいては、農園の栽培環境や栽培状況、肥料、農薬の種類や使用状況についての開示の要求があり、これが各認証コーヒーなどの登場につながっている。